平田村ジュピアプランに基づき、9月25日(月)に蓬田小学校の6年生の社会科の授業において、小中連携乗り入れ授業を実施しました。(T1は担任の渡邉先生、T2を中学校の菅野先生が担当しました。)
【ねらい】
日米修好通商条約が国内を混乱させ、幕府への不満を募らせたことや、江戸幕府よりも強い政府が必要と考えた若い武士たちが明治維新を進めたことを理解することができる。
【授業の流れ】
1 「ペリーの上陸」の絵図を見て、外国の力の大きさに気づく。
・「ペリーの条約」から、外国の軍隊や軍隊の様子を読み取る。
・開国を迫られ、どのように対応したのかを予想する
→日本人が見たペリーの絵、上陸の絵とアメリカ人が描いた絵を比較させる。(T2)
2 本時のねらいをつかむ。
明治維新を進めた人々は、どのような思いを持っていたのだろうか?
3 開国後の社会の様子について調べる。
・年表から条約を結んで開国をしたことを知り、その後の社会の社会の様子を調べる。
・長州藩の砲台を占領したイギリスなど外国の軍隊を見て、外国との力の差に気づく。
→日米和親条約と日米修好通商条約とを比較した表を提示し、
不平等条約について中学校での取り扱いを説明する。(T2)
4 明治新政府ができるまでと、新政府の政治方針について調べる。
・中心人物が協力して新政府を作ろうとしたことを読み取る。(薩長同盟)
・西郷隆盛と勝海舟から江戸が終わることになったこと気づく。
・五箇条の御誓文の内容とその発表の様子から明治政府の政治方針を読み取る。
→五箇条の御誓文の原文を見せ、原文の1・4・5を説明する。(T2)
5 学習のまとめをする。
大久保、木戸、西郷らは、外国の貿易に反対して外国と戦ったが、武力では勝てないと判断し、新しい政府をつくる運動を始めた。
【振り返り】
小中連携の授業を構想するにあたり、小学校と中学校での取り扱いの違いを意識ながら指導案を作成しました。「ペリーの上陸」「日米和親条約と日米修好通商条約」「五箇条の御誓文」を核に、めあてに向かって児童が考えられるように本時を実施することができました。菅野先生にはT2になっていただき、上の3つの場面で挿絵などを使って分かりやすく説明していただきました。教科書に載っていないことや中学校でのことを話していただいたので、子ども達も真剣に、そして楽しそうに話を聞いていました。授業後も、中学校の教科書を見ようと集まる姿が印象的でした。中学校へ向けて、希望を膨らませることができたと思います。
~小中連携の授業を受けた子ども達の感想~
・中学校では、今日学習した内容をもっと詳しく学習できると聞いて安心しました。
・中学校の教科書を見て、今からしっかりと勉強しておこうと思います。
・とても分かりやすく説明してくれたので、明治維新のことがよく分かりました。自主学習などで、さらに調べてみようと思います。
「ジュピアプラン」とは?
こども園・小学校・中学校が連携し、小一プロブレムや中一ギャップの解消を図り、9年間を見通した教育ができるようにするための、平田村独自の具体的な交流活動計画のことです。
「小一プロブレム」とは?
一般的に小学校に入学したばかりの1年生が集団行動がとれない、授業中に座っていられない、話を聞かないなどの状態が数ヶ月継続する状態のことをいいます。小一プロブレムの背景としては、地域社会の変化や家庭教育の変化、幼稚園と小学校の文化の違いなどが考えられています。この問題を解決するためには、幼稚園と小学校との連携によるなだらかな接続が不可欠であり、園児が小学校に親しみを持てるような配慮が必要といわれています。」
「中一ギャップ」とは?
小学生から中学1年生になったとたん、学習や生活の変化になじめずに不登校となったり、いじめが急増するという現象。ギャップの典型例は、コミュニケーションが苦手な生徒が小学校時の友人や教師の支えを失う「喪失不安増大型」と、小学校でリーダーとして活躍していた生徒が中学校で居場所を失ってしまう「自己発揮機会喪失ストレス蓄積型」であることがわかったといいます。こうした現象を解消するために、中学教師が小学校で「出前授業」をしたり、小学生と中学生が合同で行事を開催したり、など小学生のうちから中学校の教師や先輩に親しんでもらう試みを行うようになっています。
小学校の高学年の児童は、各小学校において中心的な役割を果たしています。しかし、中学校への入学後、学校の雰囲気や中学校の指導法になじめなかったり、新しい集団の中で人間関係が築けないなど、学校生活への不適応などを起こすことがあり「中一ギャップ」と呼ばれるようなことが問題とされてきました。
そのため、平田村では中学校への入学の前に、小学校5年生の段階から計画的に交流活動や授業を行ってきました。
5年生では、年間に2回、人間関係作りのための交流活動や授業等を行います。
6年生では、年間に数回、人間関係作りのための交流活動や授業等を実施したり、中学校の教師から指導を受けたりもします。
他校の児童と交流したりする体験により、村内の小学校の児童が中学校生活への期待感を持てるようにしてきました。