「考える道徳、議論する道徳」を目指した研修会を実施しました

 2月5日(金)、「考える道徳、議論する道徳」の実現に向け、指導助言者として、公益財団法人上廣倫理財団より 千葉県柏市の広中 忠昭 先生を派遣していただき、道徳教育研修会を開催しました。
 さて、平成27年3月、小・中学校の「学習指導要領」の一部が改正され、「特別の教科 道徳」は、いじめ問題の対応の充実、発達段階を踏まえた内容の体系化、問題解決的な学習等の指導法の工夫等の課題について考慮しつつ、全ての学校において「考える道徳、議論する道徳」への転換を図るものとされました。

 今回の授業の主題は、「理想に向かって前進する【1-(2)勇気と希望 努力と強い意志】」です。6年2組担任の田中 知先生が「ふくしま道徳教育資料集 第Ⅰ集に収められている『きぼうの水族館~アクアマリンふくしま~』を使用し行いました。村内の蓬田こども園、小平小学校、蓬田中学校の先生方にも参加していただき、充実した研修会が行われました。

 授業の導入では、目標を達成するために必要なものを考えるとともに、実現が難しいと思ったときにどんな気持ちになるかを考えました。
 

 

 6年2組では、日常生活における道徳の実践化にも意識して取り組んでいることが教室内の掲示物からうかがえます。参考になりますね。
 

 

 授業の展開前段では、資料を読み、「生き物の命を守ろう」「復興しよう」という目標をもちながらも、電源喪失やほかの水族館からの援助を断られ、危機的状況に陥っている、津崎さんはどんなことを思っていたのかを考え、自分の考えをホワイトボードにまとめ考えを比べ合いました。
 

 

 気持ちのバロメーターを使用し、迷う津崎さんの思いの度合いを視覚的に表しながら話し合いを行い、目標に向かって頑張ろうという思いが強いのか、それともあきらめようという思いが強いのかを考えました。
 


 グループで出た多様な津崎さんの思いを交流し、津崎さんの思いを客観的に分析して考えることのできる「テーマ発問」を通して、危機的状況でも目標をもって努力した津崎さんの強い意志を考えました。
 


 事後研修会では、助言者の広中先生より、資料を基に道徳科における問題解決的な学習と、これまでの道徳授業の違いについて助言をいただきました。
【問題解決的な学習の流れ】
・この時間で考える課題を理解する。
・資料を読む。
・共働で「問い」の答えを探る。
・それぞれの答えを基に話し合い、自分の考えを吟味する。
・わかったことを基に、自己を見つめる。
 ※ねらいとする道徳的諸価値について自己を見つめ、これからの生き方に生かしていくことを見通しながら、実現するための問題を見つけ、どうしてそのような問題が生まれるのかを調べたり、他者の考え方や感じ方を確かめたりと物事を多面的・多角的に考えながら問題解決に向けて話し合うこと。
 

 今回の研修会により、問題解決的な学習の流れについて校内で共有することができました。広中 忠昭先生、本当にありがとうございました。