学校統合と閉校に向けて

2014年11月の記事一覧

3年生は閉校への寂しさを感じていました…

7月5日に、平田村少年の主張大会が行われ、本校3年宗像さんと2年生の草野さんがそれぞれ感じていること、考えていることを主張としてまとめ発表してきました。
宗像さんは、「大切な母校」というテーマで閉校に対する思いを述べています。
3年生だけではなく、卒業生の皆さんに通じる思いで、共有していただけるのではないでしょうか。
PDFファイルでもご覧いただくことができます。
 
   大切な母校 宗像さん少年の主張原稿.pdf  



 大切な母校 
                                     平田村立小平中学校 三年 

  私の通う小平中学校は、もうすぐ閉校します。同じ村内の中学校と統合されて新たに「ひらた清風中学校」となるのです。
 この話を初めて聞いた時は、耳を疑いました。以前から閉校の話はありました。しかし、「ずっと先のことだ」と楽観的に考えていました。大好きな母校がなくなってしまう…私は寂しさや悲しさ、そして憤りの気持ちで胸がいっぱいになりました。
 小平中学校は、全校生徒八十二名の小さな学校です。でも、先輩後輩関係なく、みんな仲良しで、いつも明るい、いい学校です。部活や行事にもみんなで積極的に参加し、盛り上げています。
 このいつも笑顔の絶えない、明るい小平中がなくなってしまうのです。私は、この現実を受け入れることができませんでした。
 私の学校には、卒業した先輩がよく訪れます。そして、後輩たちや先生方と懐かしそうに話をしたりしています。私は、そんな光景に憧れを抱いていました。
 しかし、閉校になってしまったら、そんなことはできなくなります。自分が帰ってくる場所がなくなると思うとつらくなりました。
 それにもう一つ、私が恐れていることがあります。それは、小平中学校がみんなに忘れられてしまうということです。閉校になれば、知名度はグンと落ちるでしょう。いつか、「小平中」と名前を出しても、分かってもらえなくなる日がくるかもしれません。私は寂しい気持ちになりました。
 私は、そんな気持ちを母に相談してみました。母も、小平中学校の卒業生です。きっと私の気持ちを分かってくれる…そう思ったからです。私の気持ちを聞き、母はこう言いました。
「確かに、母校がなくなるのは寂しいことだけど、それによってよい方向に変わることもきっとあるよ。」
 私は、母の言っていることの意味が分かりませんでした。閉校することは悲しくて、つらいことだとばかり思っていた私には、母の言葉はあまりにも楽観的に聞こえました。
 しかし、母のように、閉校を前向きに考えている人は、他にもたくさんいたのです。
 学校では、新たな試みとして、ホームページが開設されました。閉校まで時間がないですが、小平中のよさを伝えたい、そして閉校に向けて、卒業生の声を集めたい、そのような思いからの開設だと思います。
 そして、妹の言葉が私の考えを変えました。「統合したら、蓬田中の人たちとも一緒になるよね。友達が増えるのが楽しみ。」
と妹は言ったのです。私は、その考え方に驚きました。そのような発想は、私にはまったくなかったからです。このとき、ようやく母の言った言葉の意味が分かったような気がしました。
 小平中学校が閉校になるのは、とても寂しいです。とても嫌です。でも、その事実から目を背けたままではだめなのです。事実を受け入れ、前向きに考えていかなければならないのです。閉校になっても、この小平中学校で過ごした大切な思い出まで失うわけではないのですから。
 私は、この大好きな小平中学校をずっと忘れません。閉校になっても、ずっと忘れません。だから私は、悔いの残らぬよう、中学校生活最後の一年を、何事にも積極的に取り組み、楽しく過ごそうと思います。そして、小平中学校の卒業生としての誇りをもって生きていきたいです。小平中学校は永遠に私の大切な母校です。